相続手続きにかかる費用の目安
1 相続手続きの費用は状況によって大きく異なります 2 相続人調査(戸籍収集)の費用の目安 3 相続財産調査の費用の目安 4 遺産分割協議書作成の費用の目安 5 不動産の相続登記にかかる費用 6 預貯金の解約・払い戻しや有価証券等の名義変更にかかる費用 7 相続税申告にかかる費用 8 費用が高くなる主なケースと注意点
1 相続手続きの費用は状況によって大きく異なります
人がお亡くなりになると、相続人や相続財産の調査、相続財産の名義変更、相続税申告など、多くの作業を進める必要があります。
これらの手続きは、法律上は相続人がご自身で行うことも可能です。
しかし、実際には専門的な知識や実務的なノウハウが求められる場面が多く、時間や労力もかかるため、行政書士・司法書士・税理士・弁護士などの専門家に依頼する方が一般的です。
その際、どの程度の費用が必要になるかという点が気になる方も多いと考えられます。
相続手続きの費用は、相続人の構成や、相続財産の種類や金額、遺産分割に関する争いがあるかどうかなどによって大きく変わります。
数万円で収まるケースから、数百万円を超えることもあります。
以下、主な相続手続きやその前提作業に要する費用の目安と、料金が高くなる傾向のあるケースについて説明します。
2 相続人調査(戸籍収集)の費用の目安
相続手続きを進めるにあたっては、まずすべての相続人を確定する必要があります。
基本的には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本を揃えなければなりません。
兄弟姉妹相続や代襲相続が発生している場合においては、さらに多くの戸籍謄本を収集することになります。
戸籍謄本類はご自身でも取得できますが、役所での請求手続きには時間や手間がかかります。
また、すべての相続人を証明するのに必要な戸籍謄本類が揃っているかについて判断をするためには、専門的な知識が必要とされます。
そのため、専門家に依頼することは広く行われています。
役所等での戸籍謄本の発行手数料は、1通450円(除籍謄本・改製原戸籍は750円)です。
専門家に相続人調査を依頼する場合の費用は、一般的に数万円程度となります。
きょうだいが多いケース、代襲相続や数次相続が複数発生しているケースなど、相続人の構成が複雑である場合、費用が高くなる傾向があります。
また、相続人調査のみで依頼するよりも、遺産分割協議書の作成等とまとめて依頼することが一般的です。
3 相続財産調査の費用の目安
相続手続きの前提として、被相続人の預貯金や不動産、有価証券、借入金などの調査も必要です。
通帳や固定資産税納税通知書などで存在が明らかな財産は、調査の手間があまりかかりませんが、不明な財産がある場合には金融機関への照会や役所での資料取得をする必要があります。
調査をご自身で行う場合は、1機関あたり数百円〜数千円程度の手数料で済むことが多いものの、平日日中に窓口へ行く必要があるなど、さまざまな負担がかかります。
専門家に依頼する場合の費用は、照会先1機関あたり数万円程度が一般的です。
依頼後、通常は委任状を渡すだけで手続きが進められるため、時間的な負担を大幅に軽減できます。
4 遺産分割協議書作成の費用の目安
相続人が1人でない場合には、相続財産の分け方を決めるため遺産分割協議を行います。
その結果は、遺産分割協議書に記載し、相続人全員が署名と押印(実印)をしたうえで、印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書は金融機関の手続きや相続登記で必要となるため、適切な形式と書き方による作成が求められます。
専門家に作成を依頼する場合、一般的な費用は10数万円程度です。
相続人の人数が多い場合や、相続財産が複雑である場合、特殊な分割方法を含む場合などにおいては、追加費用が発生することがあります。
5 不動産の相続登記にかかる費用
不動産を相続した際には、法務局で相続登記を行う必要があります。
令和6年4月以降、相続登記は義務化されていますので、原則として相続によって不動産を取得したことを知ったときから3年以内に手続きを行わなければ、過料が課される可能性があります。
相続登記に要する費用は、大きく分けて登録免許税と専門家報酬があります。
登録免許税は、概ね固定資産税評価額×0.4%です。
司法書士または弁護士に依頼した場合の報酬は、不動産1件あたり数万円程度となります。
6 預貯金の解約・払い戻しや有価証券等の名義変更にかかる費用
銀行口座の解約や預貯金の払い戻し、有価証券の名義変更はご自身でも可能ですが、数が多い場合は手続きに要する負担が大きくなります。
行政書士などの専門家へ依頼する場合の費用は、1機関につき数万円程度が一般的です。
7 相続税申告にかかる費用
相続財産の総額が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人)を超える場合、基本的には相続税申告が必要です。
相続税申告は税理士のみが代理可能であり、高度な専門知識と実務的なノウハウが必要とされるため、税理士へ依頼するのが一般的です。
報酬の目安は、一般的には相続財産評価額の0.5~3%程度です。
不動産が多い場合や、非上場株式がある場合、申告期限が迫っている場合などには料金が追加されることがあります。
8 費用が高くなる主なケースと注意点
次のようなケースにおいては、費用が高くなる傾向があります。
①相続人が多く、戸籍収集や遺産分割協議の負荷が高い場合
②相続財産の種類が多く、調査や評価に手間がかかる場合
③相続人間で争いが生じている場合
④非上場株式や複雑な形状の土地など評価が難しい財産がある場合
また、複数の専門家に依頼する場合は、それぞれの費用が発生する点にも注意が必要です。






























